アゼルトリアは今はもう形骸化してしまっているが王国である
アゼルトリアでは古来、黒は太陽の恵みを受ける色として大事に扱われていた
王は最も太陽の恵みを受けたものがなる習わしであった
民は王を慕い王は民を照らし導く
聖女が現れ黒髪の戦乙女に討たれるまではそうであった
"聖女が黒髪のものに討たれた"
当時の王政反対派にとってこれほど好都合な事実は他になかったに違いない
現に彼らは教団を作り黒髪を非難し王の発言を弱めることに成功した
当時の王はこのままでは国政がままならないと判断し、共和制への移行を提案
(もとより王は太陽により半ば強制的に選ばれるものであったため王政維持への執着は薄かった)
王は黒髪差別へ回らないものを支持して周り、議会で協団派と間接的に戦うことになる
結果としては黒髪差別は解消された
(ただしレバノン人を劣等視する傾向は解消されなかった)
王制はこのまま消滅するものかと思われたが
前述のとおり王は太陽により半ば強制的に選ばれるものであったため
消滅しようにもしようがなかった
さて今日の太陽王だが
主に祭事を盛り上げるのに勤しんでいる
アゼルトリアの祭事は大掛かりなものが多く、たいていその時期はどこの町村でも人手不足である
そんな中太陽王は太陽に授けられた転移魔法で各地に颯爽と現れ颯爽と手伝い颯爽と去っていくのだ
その他にも空読みや地質調査などをやったりもするが
なんにせよ明るく仕事をするそのさまは人々の心を照らしているのだ